藤井聡太四段が最多連勝記録を塗り替えたのが記憶に新しい将棋の世界。
他にも私の大好きな漫画、3月のライオンも将棋の世界を取り扱っており、今かなり注目されています。
常々なぜ?どうして?という疑問を持つこと、そして色んなことに興味を持って調べて、情報を整理することの大切さを塾生に伝えています。
将棋を授業終わりに遊びとして取り入れている当塾の塾長として、将棋の世界について調べることは必要だろう!!と考え、調べることにしました。
完全に遊びでしか将棋をやったことがないので、ネット中心の情報にはなりますが、調べてまとめてみようと思います。
目次
将棋の歴史
将棋の発祥は、その起源が諸説ありますが、最有力は古代インドとされているようです。
古代インドは紀元前200~300年あたり。
今は2017年ですから、2200年~2300年前ほどの話になります。
古代インドでされていたのは、「チャトランガ」という4人制、または2人制で行うサイコロを振って駒をすすめる対戦盤ゲームです。
日本将棋連盟のホームページに掲載されていたものです。
盤は8×8マス。駒は各々5種8枚。
チャトランガには4人制と2人制とがあるが、現在では2人制のものがチェスなどの起源であると考えが有力である。画像は4人制のものである。
当初はサイコロが使用されており、出た目によって定められた列の自軍の駒を1回だけ動かすことができた。それぞれの駒の動きが個別に設定されていることと、その駒の効きにある敵駒を取れるというルールが後に原将棋へと発展したと考えられている。
引用:https://www.shogi.or.jp/history/world/chaturanga.html
世界各国に将棋と似たようなボードゲームが存在しています。
欧米を中心に広がり世界で有名な「チェス」、タイの「マークルック」、中国の「シャンチー」、韓国・北朝鮮の「チャンギ」、モンゴルの「シャタル」など、様々なものがあります。
ちなみに個人的にはチェスよりも将棋の方が、駒を使えたり、多くの駒が進化したりするので好きです。
ちなみにこだま進学塾には、チェスと将棋、オセロを置いており、勉強が終わったら生徒達と対戦します。
もちろん容赦はしません。(むしろ気を抜くとやられるので 笑)
プロ棋士の収入は?
プロ棋士になると、将棋連盟から基本給が支給されるようになります。
ランクというものがあり、上からA級、B1級、B2級、C1級、C2級の5つのランクがあります。
A級で優勝すると、前期の名人に挑戦することができるため、前期名人 対 A級優勝者の争いが最高峰の戦いとなります。
大体の目安ですが、ランク毎の月収は大体これくらいになるようです。
B1 50万円
B2 30万円
C1 20万円
C2 15万円
最近はリーグ戦による最低限の対局数が保証されていることもあり、対局料が基本給代わりになっているようです。
つまり対局に勝たないと、かなり安い年収で頑張らないといけなくなります。
しかし、この対局料とは別に、対局で勝利した賞金、講演会、指導料なども収入としてもらえます。
そのため、羽生善治さんのような有名な棋士の場合、1億円近い年収になることもあります。
棋士の年収ランキング20位で1000万円を少し超えるくらいなので、勝ち続ければ長く続けられる職業ではありますが、かなり厳しい世界であることは間違いないようです。
平均年収は大体700万円くらいとされているようで、一番収入が少ない人でも400万円くらいはもらえているようです。
2000万円台以上を稼げるのは10人程度(約160人中)、700万円前後の収入の人がほとんどであることが分かります。
棋士のスケジュールは?
竜王戦のスケジュールが12月~6月の半年間がランキング戦(予選)、7月~8月が各ランクの上位者による決勝トーナメント、8月~9月に優勝決定戦があります。
そしてさらに10月~12月の間に、その優勝者と前回の名人(竜王戦は竜王)との戦いがあるようです。
竜王戦のほかに、名人戦、叡王戦(えいおう)、王位戦、王座戦、棋王戦、王将戦、棋聖戦などの八大タイトルの対局があります。
他にも朝日杯、銀河戦、NHK杯、JT杯、新人王戦、チャレンジ杯、清流戦、達人戦のほか、女流棋士のみに出場権がある、マイナビ戦、女流王座戦、女流名人位戦、女流王位戦、女流王将戦、倉敷藤花戦、女流チャレンジ杯など、数多くの戦いが1年を通してひっきり無しに行われています。
そのため、詰まっている時などは、ほぼ毎日のように将棋をすることになります。
藤井聡太四段の時も11時間を越えるような対局もざらにあるようなので、とても忙しいようです。
段位や称号はどうすれば取れる?
称号に関しては、8大戦で現在タイトルを持っている人に勝つことで取れます。
ランキング戦や予選を勝ち抜いて、決勝トーナメントを勝ち抜いて、優勝者が挑戦権を得られるという超狭き門です。
タイトル戦ともなれば優勝賞金が4000万、敗者も1000万くらいの賞金が出ることがあるようで、名実ともに最高峰の戦いとなっています。
藤井聡太四段のように、四段という段位はどのように決まり、どのように上がっていくのでしょうか?
プロ棋士になると四段からスタートします。
三段まではアマチュアです。
その後タイトル戦結果や公式戦の勝数などの基準によって段位があがっていくことになります。
四段⇒五段
以下の条件のうちどれかを満たせば昇段できます。
- プロ入り後100勝を達成
- 名人戦の順位戦でランクC2の上位2人に入り、C1級に昇級した場合
- 竜王戦のランキング戦で初参加および後級しなかった翌年から連続2回昇級または、ランキング戦通算3回優勝で1つだけ昇段
- また、全棋士参加の棋戦で優勝することでも1つだけ昇段
- 8大タイトルの中の竜王と名人戦以外の「タイトル挑戦」で1つ昇段
五段⇒六段
以下の条件のうちどれかを満たせば昇段できます。
- 五段昇段後120勝を達成
- 名人戦の順位戦でランクC1の上位2人に入り、B2級に昇級した場合
- 竜王戦で2組に昇級した場合
- 竜王戦のランキング戦で初参加および後級しなかった翌年から連続2回昇級または、ランキング戦通算3回優勝で1つだけ昇段
- また、全棋士参加の棋戦で優勝することでも1つだけ昇段
- 8大タイトルの中の竜王と名人戦以外の「タイトル挑戦」で1つ昇段
六段⇒七段
以下の条件のうちどれかを満たせば昇段できます。
- 六段昇段後150勝を達成
- 名人戦の順位戦でランクB2の上位2人に入り、B1級に昇級した場合
- 竜王戦で1組に昇級した場合
- 竜王戦のランキング戦で初参加および後級しなかった翌年から連続2回昇級または、ランキング戦通算3回優勝で1つだけ昇段
- また、全棋士参加の棋戦で優勝することでも1つだけ昇段
- 8大タイトルの中の竜王と名人戦以外の「タイトルを獲得」すれば1つ昇段
七段⇒八段
以下の条件のうちどれかを満たせば昇段できます。
- 七段昇段後190勝を達成
- 名人戦の順位戦でランクB1の上位2人に入り、A級に昇級した場合
- 竜王獲得
八段⇒九段
以下の条件のうちどれかを満たせば昇段できます。
- 八段昇段後250勝を達成
- 名人獲得
- 竜王2期獲得
- 名人以外のタイトルを3期獲得でかつ八段に昇段している場合
称号の中で最も名誉あるものは名人と竜王。
そして段位は九段が最高で、昇段条件は一定の勝数を積み上げるか、竜王戦・名人戦、その他タイトル戦で結果を残すことです。
9段になるためには竜王と名人の両方の獲得か、プロ入り後810勝を積み上げることです。
気が遠くなりそうですね・・・・・・orz
プロになるにはどうすればいい?
プロ棋士は現在約160人程度で、年間4人ほどしか合格者はいないそうです。
プロになるには主に2つの方法があります。
奨励会に入会する
日本将棋連盟が主催する新進棋士奨励会に入会し、級位、段位を上げていき三段リーグの上位2位に入ることです。
この入会自体のハードルが非常に高く、プロ棋士からの推薦と入会試験が存在しています。
連盟主催の小中学生向けアマチュア大会などで成績を残している場合はプロ棋士からの推薦が免除されます。
優勝者は三段リーグという、アマチュア以上プロ未満のリーグに参加できます。
この三段リーグは東西合わせて半年単位でリーグ戦を行い、上位2名がプロ入りできます。
つまり年間4名しかプロになれない。
しかし、この奨励会の級位は年齢によるところが大きいため、実力ではありません。
6級でもアマ三段、四段の実力となるようです。
19歳未満でないと入会できないため、奨励会から入る場合は年齢による壁が存在します。
また、入会後も、昇級・昇段試験に挑んでいく必要があり、23歳の誕生日までに初段になれなければ退会ということになるようです。
厳しい世界ですね。
野球で言うと高校生までのドラフトで拾われないといけない感覚ですね。
アマチュアからプロに編入する
奨励会を使わない方法が一つあります。
それがプロ編入制度です。
遅咲きタイプはこの道しかありません。
アマチュア棋士として10勝以上あげ勝率6割5部以上という成績を収め、さらにプロ棋士から推薦を受ける必要があります。
そして、プロ棋士相手に5対局中3勝できればプロ棋士に昇格できます。
かなり条件が厳しく、その対戦相手のプロのレベルにも左右されるため、奨励会から入るよりも難しいといえると思います。
藤井聡太四段のプロ入りまでの道のり
藤井聡太四段は、6歳でアマ初段として、東海の奨励会の研修会に入会。
連盟主催の第10回全国小学生倉敷王将戦・低学年の部で優勝したため、奨励会のプロ棋士による推薦は免除された。
三段リーグにて、最終成績が1位となり、四段になる資格を得ました。
中学生でのプロ入りは史上5人目。
つい先日引退した加藤一二三が持っていた最年少プロ入り記録を塗り替えて、14歳2ヶ月でプロ入り。
つまり過去最強の天才です 笑
いかがでしたでしょうか。
今注目の棋士界のことがなんとなく分かりましたでしょうか?
調べてまとめるだけでおよそ3時間かかりました。
自分の知りたい情報というのは一箇所に都合よく固まっていないため、自分の手を動かして、情報を集めて整理することの重要性が改めて分かりました。
小学生の夏休みの課題・自由研究などで、将棋の起源となった世界各国のボードゲームについて調べたり、棋士の世界をまとめたりするのもおすすめですね!
是非参考にしてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!